歯並びが悪くなる原因の多くは、顎の成長不足です。顎の骨は顔面の半分以上を占め、顎の成長不足は正しい顔の成長を妨げます。
子どもの矯正治療とは、生活習慣の改善や、トレーニング、矯正装置を使用することにより顎の成長不足を改善し、正しい顔の成長を促す治療です。
早期矯正治療・開始時期について
お子様の早期矯正治療は、顎の成長時期に合わせトレーニングと装置を併用して、顎そのものを広げます。早期矯正治療は顎の成長時期に合わせるため5・6歳〜10歳までに始める必要があります。これ以降の年齢では顎の成長時期を過ぎるため治療の効果が十分得られず、成長後の治療が必要になる可能性が高くなります。
早期矯正治療のメリット
顎の成長不足を解消することで、お口の容積を大きくし口腔機能発達不全症の治療に有効である。ある程度の骨格的な問題を改善できる。といったメリットがあります。
- 永久歯を抜かない
- 正しい顔の成長を促すことができる
- 口腔機能発達不全症に有効
早期矯正治療のデメリット
デメリットとして、今後の成長を予測しながら治療を進めるため、成長期を過ぎた後に再度治療が必要になることがある。歯が生えそろう(12・3歳頃)まで経過を見ていく必要がある。といった点があります。
- 成長過程にあるため、不確定要素がある。
- 管理の期間が長い(歯が生えそろう12・3歳頃まで管理が必要)
- 本人の意思決定がない
患者であるお子様が幼く治療の意義を理解しづらいといった点がありますので、歯科医・親御さんのサポートが重要です。
早期矯正治療の種類
バイオセラピー
お口周りの筋力や正しい動かし方をトレーニングすることで、お口の正しい機能を身につける治療です。子どもの矯正治療ではバイオセラピーを主体とし、下に挙げる装置を併用していきます。
床矯正装置

お口の中に入れ顎を広げる装置です。ネジを巻くことで装置が広がるようにできています。装置は取り外し可能で、1日14時間以上の装着が目安です。数種類の中から目的に応じた装置を使用します。
ランパ(RAMPA)
上顎の骨そのものを牽引して動かし、顎の成長不足を解消する装置です。顎骨そのものを動かすことでより大きな骨格の問題を解消し、気道を広げるなどの効果を期待できます。

お口の中に固定する装置と顔に装着する装置の2つを使います。1日12時間以上の装着が目安です。安定して装着できるようになったら下顎を広げる装置を装着します。歯が並ぶスペースと口腔内の容積が十分に確保できるまで牽引と拡大を行います。
早期矯正治療費用一覧
矯正診断 ¥30,000
床矯正(1装置)¥65,000
RAMPA(5装置) ¥750,000
調整・管理料(1月毎)¥5,000
気軽に矯正無料相談を
三阪歯科医院では矯正無料相談も行なっています。お子様自身で矯正が必要か判断することはとても難しく、また親御様が気付かれない場合もあります。矯正が必要な場合でも、発見と対応が早ければ治療も短期間で完了する可能性が大きくなります。
月に1度(土曜日)を矯正治療日とし、専門医の視点から適切なアドバイスをお伝えしています。お気軽に相談下さい。
成人矯正治療
現在の骨格に合わせて歯を並べ、見た目や噛み合わせを改善する治療です。成長期を過ぎていれば開始時期の制限はありません。成長期を過ぎてから始めるため、治療の計画が立てやすい。子ども時期と異なり患者自身が治療の意義を理解できる。といったメリットがあります。
メリット
- 成長は完了しているため、不確定要素は少なく治療計画が立てやすい
- 治療期間は2-3年程度
- 本人の意思決定がある
デメリット
デメリットとして、顎の成長不足を解消できず、お口の容積は小さいまま変わらない(変えるためには顎の骨を切る外科手術が必要)。歯を並べるスペースを確保するために抜歯が必要になる場合が多いといった点があります。
- 骨格を治すには外科手術が必要
- 永久歯を抜歯することが多い
- 口腔機能発達不全症のまま成長する