お子様の口腔機能発達不全症

お子さまの歯並び・いびき・口呼吸と口腔機能発達不全症

小児(12歳児)のむし歯の本数は年々減少しており平均0.2本と非常に少なくなりました。それに対し、不正咬合は約65%(90%を超えるとの報告もあります。)と言われています。

お子様の不正咬合は口腔機能発達不全症という病気と関連しています。あまり聞き慣れないかもしれませんが、小さなお子さまのいらっしゃるご家族の方には是非知っていただくべき病気です。

口腔機能発達不全症を放っておくと、「顎の成長不足に繋がり顔の前後の幅が短くなり上下に長く顔が長くなる」「顎の成長に悪影響をあたえ歯並びがより悪くなる」「顎の成長不足により空気の通り道である鼻腔や気道が狭くなり呼吸がし辛くなる」など、大切なお子様の将来に大きな影響を与えてしまいます。

口腔機能発達不全症は早期にトレーニングや治療等の解決に取り組むことで解消出来ます。先ず下記の一覧に該当するも症状があるかチェックしてみましょう。

お子様の口腔機能発達不全症チェック

  • 歯並びが悪い
  • 固い食べものが嫌い
  • 食べるのが早い(ほとんど噛まない)
  • 食べるのが遅い(なかなか飲み込まない)
  • 肥満や低栄養がある
  • ポカンと口を開けている
  • 目がたれて口がへの字、顔にしまりがない
  • 唇が厚ぼったい
  • 話す時や食べる時にいつも口から舌が出る
  • 涎が気になる
  • 口から食べ物がよくこぼれる
  • 口呼吸がある
  • いびきがある
  • 滑舌が良くない
  • いつも猫背である
  • 舌にギザギザの歯の痕がある
  • 舌が短い、舌を前に出すと先がくぼむ
口腔機能発達不全症により発現する上記症状と口腔機能発達不全症について。

上記の症状は、お口を上手に使えていないことが原因かもしれません。

お口を使って食事をする。当たり前に身につくと多くの人が考えているでしょう。実はこの当たり前は、当たり前でないのです。

お口の使い方は、赤ちゃんの頃の哺乳や離乳食そして普通食への段階を経て徐々に身についていきます。しかし、その時々の食形態や食事の取り方によっては上手なお口の使い方が身につかないまま成長してしまうこともあります。

上手にお口が使えない症状を「口腔機能発達不全症」といい、2018年度より新たな病気として国が認め、治療の対象となりました。

改善により具体的にどういった有益な結果を得られるか。

口腔機能発達不全症に早期に気づき改善することで

  • 何でも良く噛み食べられる
  • 歯並び、顔つきが良くなる
  • 健康で病気にかかりにくくなる

こうした結果を得られます。

当院は口腔機能発達不全症のトレーニングと治療をおこなっています

口腔機能発達不全症に気づいたら先ず歯科医院へ相談しましょう

お子様が上記の症状に当てはまる場合、口腔機能発達不全症の可能性があります、出来る限り早く歯科医院に相談しましょう。三阪歯科医院ではお口の状態のチェックや問診により診断をおこない、症状に応じたトレーニングや治療をおこなっています。症状によっては基本的な歯科治療や耳鼻科への紹介が必要になることもあります。早期に始めれば始めるほど大きな効果が期待できます。

〜3才の場合、トレーニングを主体に取り組むことで症状の改善が可能です。6〜7才を超えるとトレーニングに合わせて矯正治療が必要なケースに多くが当てはまります。

「トレーニング」「治療」の紹介・案内

口腔機能発達不全症解消のためのトレーニング
舌のトレーニング

ポッピング

ポッピングトレーニング

舌を上顎に付け、ポン!と音を立てて離します。いわゆる舌打ちを繰り返すことで舌の力を鍛えます。

ガムトレーニング

ガムトレーニング
  • ガムを左右の歯で均等に噛みます。
  • ボール状に舌の上で丸めます。
  • 舌の中央にガムを乗せ、上顎に押し付け薄く広げます。
  • 舌でガムを上顎に押し付けたまま「ごっくん」とつばを飲み込みます。

舌の力や、嚥下時の正しい舌の動きを身につけるトレーニングです。図のように逆三角形にガムが広がれば正しい舌の動きができています。

唇のトレーニング

リットレメーター

ガムトレーニング

マウスピースを唇で加え、抜けないように唇に力を入れ引っ張ります。唇の力を計測する専用の道具「リットレメーター」を使用したトレーニングです。2.0を目標にします。

総合的なトレーニング

「あいうべ」体操

「あいうべ」体操

口を大きく「あー」「いー」「うー」「べー(舌を出す)」と動かします。大きく、ゆっくり動かすと効果的です。

タオル引きちぎりトレーニング(THT)

タオル引きちぎりトレーニング(THT)

素足になり肩幅に足を開きます。タオルを歯で軽く噛み、唇で強く挟みます。タオルを引っ張り抜けないように唇に力を入れます。舌は先端でタオルを押します。原始人が肉を引きちぎっているようなイメージです。顎の成長に関連する筋肉を総合的に鍛えるトレーニングです。

口腔機能発達不全症解消のための治療

トレーニングだけでは改善が期待できない場合、装置を使い顎を広げます。

床矯正装置
ネジを回し顎を広げます。

RAMPA(ランパ)
上顎を牽引し3次元的に顎を広げます。

トレーニングによる口腔機能発達不全症の改善例

下画像はTHT(タオル引きちぎりトレーニング)で歯並びが改善した実例です。毎日朝晩2回のTHTを欠かさず行いました。この例は永久歯ですが、乳歯の時から行えばさらに短期間での症状改善が期待できます。朝顔を洗った後・お風呂上がりなど時間を決めて習慣化することが、トレーニングを継続するコツです。

5ヶ月間のタオル引きちぎりトレーニングで歯並びが大きく改善

口腔機能発達不全症を放っておくと

口腔機能発達不全症の症状を放置し、年齢にあったトレーニング・治療を行わなかった場合、下記の様な悪影響を長期的にわたり与え続けることになります。

歯並びがより悪くなる
顎はお口周囲の筋肉の力や、噛むことで加わる力によって成長します。口腔機能発達不全症は顎の成長に悪影響をあたえ顎が小さくなり、その結果として歯並びが悪くなります。

呼吸がし辛くなる
顎の成長不足により空気の通り道である鼻腔や気道が狭くなり、呼吸がしにくくし辛くなります。

姿勢が悪くなる
鼻腔、気道が狭くなると、それを補うために、頭を前に出した猫背の姿勢をとり口呼吸をするようになります。定着してしまうと、顎には後ろに引っ張る力が働き、さらに成長不足を引き起こします。

顔が長くなる
顎の骨は顔のほぼ半分を占めています。顎の成長不足は顔の前後の幅が短くなり、上下に長くなります。

口腔機能発達不全症は放置している期間が長いほど上記の症状を悪化させます。骨格の異常はこの時期にしか対応できません(成人では外科手術でしか解決出来ません)。呼吸の問題による慢性的な酸素不足は集中力の低下や姿勢の悪化の定着など将来的に多くの病気の原因になり、また勉強や仕事などのパフォーマンスに悪影響を与え続けます。

さらに高齢期に差し掛かった時に自力での食事が難しくなる口腔機能低下症になるリスクが高くなります。子どもの時のお口の発達は生涯にわたって影響してきます。

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