三阪歯科医院のフレイル対策について

皆さんは「フレイル」という言葉を知っていますか?

フレイルは「弱さ・脆さ・虚弱」を意味する英語の「frailty / frail 」の日本語訳からきており、高齢期の「心身の機能・活力の衰え・虚弱」の状態を指します。

フレイルは健康と要介護の中間の状態で、要介護となる危険性が高まり、健康長寿を達成できる可能性が低くなってしまうといわれています。

平均寿命は男性81.25歳、女性87.32歳(2018年)に対し健康寿命は男性71.19歳、女性74.21歳(2013年)と10年程の差があります。

フレイルを予防し健康長寿を達成するためには、「栄養(食とお口の健康・運動・社会参加」という3つの要素がとても重要です。特に食事を独りでとる等、社会性の低下により人と接する機会が少なくなることが負の連鎖のきっかけとなりやすく、フレイルから要介護へドミノ倒しになる流れは「フレイル・ドミノ」と言われています。

三阪歯科医院では、お口の健康の側面からフレイル予防へ取り組んでいます。

オーラルフレイルと三阪歯科医院の取り組みについて

三阪歯科医院のフレイル対策について

フレイルというと全身の虚弱を指します。歯科の分野では、「オーラルフレイル」という言葉があり「口の機能の虚弱」を意味します。

当院では歯周内科に関するセミナーや各種ご案内等で、「お口の健康は全身の健康に繋がる」ということを、様々な視点からお伝えしています。

加齢に伴いお口の機能が衰えてくると、生活の様々なシーンで小さな衰えや変化が発生しはじめます。それらが少しずつ積み重なり負の連鎖が始まると、全身の健康・心身機能にマイナスの影響を広く与えます。

口周りの小さな衰えの例

  • むせる・食べこぼす
  • 食欲が湧かない
  • 硬い食べ物を避け、柔らかいものばかりを食べてしまう
  • 舌が回らず滑舌が悪くなる
  • 口の中が乾燥し口臭が気になるようになる
  • 顎に力が入らなくなる
オーラルフレイル認知度と該当者のグラフ

上記は平成28年度の神奈川県内の65歳以上の3927名を対象にした調査のデータ(オーラルフレイルの認知度と該当者)です。65歳以上の43%がオーラルフレイルに該当するにも関わらず、オーラルフレイルを知っている方は2%しかいません。

このパーセンテージを用いてわかりやすく説明すると、1000人の65歳上の高齢者の方の中にオーラルフレイルに該当する方が430人居るのに対し、自身がオーラルフレイルに該当すると認知出来る可能性のある方が最大8人しか居ないという事になります。

上述の口周りの小さな衰えを、オーラルフレイルではなく加齢による仕方のない事と気に留めないまま放置してしまう事は、皆様の健康寿命を短くし、日々の生活を多くの痛みやストレス・不自由に囲まれたものにしてしまいます。

三阪歯科医院のフレイル・オーラルフレイル対策への取り組み

三阪歯科医院では、希望される方には全身状態を把握するために体組成計で全身の筋肉量を計測しています。その結果をみて管理栄養士・運動指導士がアドバイスをしています。また、フレイル対策の教室として『はつらつ歯っぴーカフェ』を月に2回開催しています。

お口を診てオーラルフレイル(口腔機能低下症)の疑われる方には検査をお勧めしています。

  1. 舌苔(舌の上の汚れ)の検査
    舌苔(舌の上の汚れ)の検査

    舌苔とは舌の上の白い苔のような汚れです。舌苔の付着量を視ることでお口の衛生状態を確認できます。また、舌がしっかりと動いているかを確認することもできます。

  2. お口の乾燥の検査
    お口の乾燥の検査

    専用の検査機器(ムーカス)を使いお口の乾燥を調べます。唾液が正常に分泌されているかどうかを確認できます。

  3. 咬合力の検査
    咬合力の検査

    プレスケールという咬合力を調べる専用のシートを用いて噛む力が正常かどうかを確認します。義歯を使用している方は、義歯がしっかり噛めているかどうかを確認することもできます。

  4. 舌・唇の運動機能検査
    舌・唇の運動機能検査

    「パ」と「タ」と「カ」が短時間に何回発音できるかを調べます。苦手な発音を知ることで、お口のどの部分が衰えているかを確認できます。

  5. 舌の力の検査
    舌圧計を使用した舌の力の検査

    舌圧計という検査機器を用い、舌の筋力を測定します。舌の衰えは発音や飲み込みなどに影響があります。また、全身の筋力の衰えと相関するとも言われています。

  6. 咀嚼能力検査
    グミゼリー 咀嚼能力検査

    検査用のグミゼリーを咀嚼することで、食物を細かく噛み砕く能力が正常かどうかを調べます。咬合力の検査が単に噛む力を測定するのに対し、咀嚼能力検査は実際に食物を咀嚼するために必要なお口の総合的な機能を評価します。

  7. 嚥下機能検査

    専用の質問用紙に答えることで、食物を飲み込む機能の評価をします。

以上の7項目のうち、3つ以上基準値より測定値が低い場合は、「オーラルフレイル(口腔機能低下症)」と診断されます。

オーラルフレイルと診断されたら?

先ずはお口の状態をチェックします。

お口の中を診て、しっかりと噛める状態にあるかをチェックします。むし歯で痛む歯があったり、歯周病でグラグラしている歯があったり、抜けたまま放っておいて歯がない状態があれば、治療を行います。

次にお口の検査の結果から衰えているお口の機能を判断し、対応したトレーニングを行ってもらいます。

フレイル対策のトレーニングに取り組んでいる患者さんの一例

三阪歯科医院のオーラルフレイル対策へのトレーニング

オーラルフレイル対策を行なっている方のトレーニング内容をご紹介します。費用の負担無く、身体の負荷が少ない内容となっています。継続してトレーニングすることでフレイルを改善する事が期待出来ます。フレイルではない方にも健康維持のためにお勧めできるトレーニングです。

  1. 深呼吸・首回りのストレッチ・肩/上半身のストレッチ

    お口の訓練を始める前に、上半身や、首回りのストレッチを行い、緊張をほぐします。背中が丸まらず、足を床に接地させ姿勢を整えることも大切です。

  2. お口のチェック、クリーニング

    当院ではPOICウォーターとオーラループを使用したケアを行なっています。

  3. お口の体操

    お口の体操として『あいうべ体操』を行います。お口の筋肉を鍛えるイメージで、1つ1つの動作を、ゆっくりと、大きく行います。

  4. 舌の体操

    舌を前後、左右、上下に動かします。こちらも大きく動かすことが大切です。

  5. 滑舌の訓練

    「パ」「タ」「カ」を織り交ぜた音を繰り返し発音します。唇や舌の動きが良くなってくると、スムーズに発音できるようになってきます。

  6. 咀嚼訓練

    食物を咀嚼する訓練として、噛みごたえのあるもの(この例では裂きイカ)を噛んでもらいます。右奥歯で噛みしめ、舌で左に動かし、左奥歯で噛みしめることを交互に行います。

  7. ブローイング

    しっかりと咀嚼し、飲み込むためには、十分に呼吸ができていることが前提にあります。このトレーニングはお水を入れたコップにストローで息をぶくぶくと吹き込み深く呼吸をすることを身につけます。ストローを咥えることは唇のトレーニングにもなります。

フレイル・オーラルフレイルは早期に気付き対策することで、大きな改善が見込めます。些細な衰えと流さずに検査を受けてみては如何でしょうか?

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