ドライマウスとは、唾液の量が減り、口の中が乾燥した状態になることです。唾液の量が少なくなると口腔内の細菌が繁殖しやすく、口臭の原因にもなります。
また、唾液の量が減らなくても乾燥感やのどの渇きを感じる場合もあり、これらもドライマウスに含められます。
ドライマウスの患者数は日本国内で800万~3000万人と推定されており、男女比はおよそ1:3と圧倒的に女性が多いと言われています。
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ドライマウスの自覚症状

次のような症状はありませんか?
- 口が乾く・ネバネバする
- 喉が渇く
- パンなど乾いた食べ物がうまく飲み込めない
- 食べ物の味を感じにくくなった
- 口内炎ができやすくなった
このような症状はドライマウスの可能性があります。
ドライマウスの原因は?
- 加齢による唾液腺の機能低下
- ストレス
- 歯周病
- 内科疾患(糖尿病など)
- 薬の副作用
などがあります。これらは単独で起きることもあれば複合して起きることもあります。
唾液の分泌量が減りドライマウスになると?
唾液にはお口の汚れを洗い流す作用や抗菌作用、粘膜を保護する作用があります。唾液の量が減りドライマウスになると下記のような症状が発生します。
- お口の汚れを洗い流す作用や抗菌作用が弱くなるため、お口の中の細菌が増え、むし歯や歯周病になりやすく、口臭が強くなります。
- 口内炎ができやすく、義歯が安定しなくなります。
- 食べ物を飲み込みにくくなります。
- 味が感じにくくなります。そのため、味付けが濃くなりやすく塩分のとりすぎなどから高血圧症になることもあります。
ドライマウスの治療について
お口の乾燥が見られたり感じられたりする場合、吐唾法やムーカスなどの検査を行います。
吐唾法とは?
5分間で自然に分泌される唾液の量を測定します。0.5 ml 以下でお口の乾燥があると判断します。
ムーカスとは?
口腔内の水分量を測定する専用の機器【ムーカス】を使用し、お口の乾燥状態を計測します。
歯科の治療で対応出来ること
乾燥の原因がお口にある場合はその治療を行います。歯周病や合っていない義歯の使用などは唾液の量が減る原因になります。
対処療法として、保湿ジェルを使用することもあります。
内科の治療で対応出来ること
乾燥の原因が内科疾患にあると考えられる場合、内科を紹介受診していただきます。糖尿病や多剤服用、シェーグレン症候群などはドライマウスの原因となります。
患者さん自身が出来ること
唾液線マッサージを行い、唾液線を刺激することで唾液の分泌を促します。日本歯科医師会Youtube公式チャンネルにてわかりやすい動画が公開されています。是非、下の動画をご覧いただき参考にしていただければと思います。
ドライマウスに限らず、加齢に伴い種々の体の変化を感じることがあるでしょう。その際は「仕方のないこと」だと考えず、適切な治療を受けることで、症状が改善することもあります。また、ご自身で行える有効な対策に取り組んでいただき、健康な身体で快適な毎日を送ることを目指していただければと思います。
当院では、患者さんのQOL(クオリティ・オブ・ライフ、生活の質)向上への貢献を第一と考え、様々な病気・症状解決へのサポートを用意しています。ドライマウスでお困りの方はお気軽に当院にご相談ください。