2014年5月20日
「ストレスが身体に悪い」「ストレスが病気の原因である」「ストレスをためないようにして下さい」「ストレスの身体への反応は交感神経が優位に働きアドレナリンが出て血管が収縮し血圧が上昇しいわゆる戦闘態勢を準備することになります。先ずはリラックスしましょう」と言われ続け、皆、妙にそのことを盲目的に信じていたようです。
しかしストレスを起こさせるストレッサーというものがある物質(特定のもの)であればそれに対することはさほど難しいものではないでしょう。しかしストレッサーはそれを受け取る個々人がどう感じるか、考えるかによって変わります。だからストレスに対して症状の出方も千差万別です。
ケリー・マクゴニガルのTED TALKSで自己実現に至るマズローの欲求5段階説を思いました。生理的欲求(1段階)や安心安全欲求(2段階)は物質レベルである程度満たされます。その上の愛と所属の欲求(3段階)や承認の欲求(4段階)は心のレベル(人との触れ合い)で満たされるものです。だから心の満足は自分がどう考えるか、他人がどう考えているかに依ります。
その人が今までに 生きてきた経験によるものでそれも他人の関わることでもあり非常に幅があり複雑になってきます。ある困難な事柄に前向きに捉えそれを乗り越えていく人と、ハードルの高さに恐れをなして逃げる人対応は様々です。日本ではよく病は気からなどと正体の不明な「気」に答えを求めることがあります。そして何となく分かった気になります。
今回のケリー・マクゴニガルのTED TALKSでは疫学的リサーチや脳内ホルモン(オキシトシン)の出方をはかるなど客観的に判断できる事例を挙げています。ストレスに対する考え方を変えることで健康になれると科学的に証明されたと説いています。ストレスに立ち向かうために身体は脳下垂体よりオキシトシンを出し準備をしているのです。特に他人を思いやる気持ちが強いほどその量は増えていきます。
ストレスに対する考え方で結果を変えることができるのです。
最後に自己満足のための欲求ではなく社会貢献によって満たされる欲求、これはマズローの5段階目の自己実現の欲求に他なりません。人生の意味が見いだせるものを求めそこで経験するストレスに対応できると自分を信じることが大切です。
* 意味への意思 フランクル(ヴィクトール・フランクル)は、人の主要な関心事は快楽を探すことでも苦痛を軽減することでもなく、「人生の意味を見出すこと」であるとする。人生の意味を見出している人間は苦しみにも耐えることができるのである。